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取り合えずうちの知っている「紋章学」についてのルール・用語を書いていきます。並び方は一応五十音・アルファベット順です。間違っていたら訂正します。が付いてるものは図版が有ります(リンクして有ります)。

アクセサリー(Accessory)
紋章を識別する上での大切な要素。主にクレスト、サポーター、スクロール、ヘルメット、コンパートメントなどで構成される。また特殊なものではコルネット、ガーター騎士団のガーターなどが有る。・エスカッシャン(Escutcheon)

紋章になる土台の事。楯型や菱形・馬頭型などが有名。


アチーヴメント(Achievement)#(エリザベス2世の紋章)
大紋章ともいわれている。紋章にすべてのアクセサリーを付けてある物。


アルーシブアームズ(Allusive Arms)
Aullsiveの意味は「ほのめかす・暗示する」。これを紋章学の用語として使うと、「名前から想像できる紋章」という意味になります。これの代表例が「シェイクスピア」や「ハンマートン」伯です。シェイクスピアはたびたびこの説明で出ますが、ShakespeareのSPEAREを意味する単語なので、槍の紋章。Hammerton伯はHAMMERが「金槌」の意味なので、「ハンマーをかたちどった紋章」になりました。また類義語で「Canting Arms」や「Punning Arms」などともいわれます。


イングランド(England)
よく紋章学で使われる「略語」の一つで「イングランド」といえば「赤地に三頭のライオン」のことを表します。


オーギュメンテーション(Augmentation)
日本語訳だと加紋章。紋章はもともと家系などを戦場であらわすために使用された。その流れを汲んで、戦場で手柄を上げた騎士に対して領主が紋章を与えた。これを加紋章と読んでいる。封建制度の時代に、紋章に君主の紋章を付け加えることは名誉とされた。特に有名なものはNova Scotiaに与えられた[赤い手]がある。

ガーター騎士団(The Knights of the order of the Garter)
イギリスに有る騎士団の名前で、1348年に創設された。


ガーター勲章(The Order of the Garter)#(エリザベス2世の紋章)
ガーター騎士団の団員に送られる勲章。常時26人で構成されている(王・皇太子も含む)。また客員受勲者として大正天皇などにも送られた。受勲者は毎年ウィンザー城で行われる例会に出席する事を許されている。受勲者の紋章には、アクセサリーで「ガーター」か「スカラー」と付け加える特権が有る。


貴族(Peerage)
紋章でよく出てくる肩書きが「Earl of Kent」などでこの「Earl」とか「Duke」などは現在でも「貴族」制度が有るので、どこの貴族なのかを示すために付けられます。上の「Earl of Kent」は訳すと「ケント伯」と言う事になります。
英語名 日本語訳
Duke 公爵
Marquess 侯爵
Earl 伯爵
Viscount 子爵
Baron 男爵
この他に「準男爵(Baronet)」と「騎士(Knight)」と言う1代のみの位が有る。前者(表に書いた)の貴族は名前の前には[Lord]を、後者には[Sir]を付けて呼びます(最近は簡略化したみたいですが)。

騎士道(Knighthood)
紋章学とはきっても切れないもの。騎士道と言うのはステータスであり、マナーであり、ランクでもある。紋章自体が戦争で使用されていたもので、戦場で司令官として役職についていた人々のことを言う。イングランドでは上記の[ガーター騎士団]が有名であり、スコットランドでは[薊騎士団(The knight of Thisle)]がある。


金属色(Metals)
金色(代用で黄色)、銀色(代用で白)の2色のみ。


毛皮模様(Furs)
色の種類で毛皮を表した模様。


クレスト(Crest)
冠飾り。日本の兜に付いてる「角」みたいな役割で、フィールド内の紋章図形は同じ家系でも同一の物は禁じられているが、クレストだけは同一のものを使える。


ケイデンシーマーク(Cadency Mark)
何度も書いてきましたが、「同一紋章を作らない」と言う鉄則が有るので親族同志でもディファレッシングという行為をします。そのディファレッシングを簡単かつ体系的に行うためにこのマークが使われました。


系統学(Genealogy)
紋章学と主に発展してきた学問で、主に家系図などを解き明かす学問。紋章は前に書いたように、現在の使い方として、家系図的要素があります。「どの家と結ばれたか」や「どの家に合併したのか」が、判るようになっているからです。


原色(colours)
青・赤・黒・緑・紫・橙の6色。しかし稀に深紅・栗灰色を使う事もある(日本語が無いのかもしれません)。


コンパートメント(Compartment)
アチーヴメントに付けられるもので、日本語に訳すと「台座」。種類は時代によって異なり、現在は山型が主である。


サブオーディナリーズ(Sub Ordinaries)
これもまた日本語にするのが本当に難しいので図形で説明。

 *クォーター(Quarter):フィールドのデキスター・チーフの1/4を覆った四角。

 *ジャイロン(Gyron):クォーターで覆った四角をベンドに分けた形。

 *インエスカッシャン(Inescucheon):楯型をフィールドの中央に入れる形。

 *ボーデュア(Bordure):フィールドの周りを縁取った帯。しかしこれだけではあまり使われない。

 *レイブル(Label):「暖簾(のれん)」みたいなもの。これもこれだけではあまり使われない。

 *フローンチズ(Flaunches):両側の側面に付ける半円形の模様。必ず2つある。


サポーター(Supporter)
アチーヴメントでアクセサリーの一つ。エスカッシャンを支える動物、人物・無生物・空想上動物などをまとめて言う。


シール(seal)#紋章では有りませんが…
紋章の使い方としてこの「シール」が有ります。シールというのは、公文書や私文書などの書簡に使われるのもで、大抵は書簡の最後に「封蝋」でもって、リボンに付けられます。


色彩(Tinctures)
紋章で使われる色の総称。種類は3種。金属色・原色・毛皮模様。その他の色は一切使ってはならない。


シニスター(Sinister)
エスカッシャンを裏から見て「左」側のこと(日本語だと表見「向かって右」)。


主オディナリーズ(Honourable Ordinaries)
日本語にすることは難しい(ほんとに…)。「チーフ(Chief)・横帯(Fess)・縦帯(Pale)・十字帯(Cross)・斜め帯(Bend)」などが有る(主なものを書いておきます)。

 *チーフ(Chief):前にも書いてあるがフィールド上1/3の所を横帯で覆ったもの。前記のチーフとは違うもの。

 *横帯(Fess):フィールドの中央1/3を横帯で覆ったもの。

 *縦帯(Pale):フィールドの中央1/3を縦帯で覆ったもの。

 *十字帯(Cross):フィールドを十字帯で覆ったもの。

 *斜め帯(Bend):デキスターチーフからシニスターベースまでをフィールドの大きさの1/5の帯で斜めに覆ったもの。

 *山形帯(Chevron):デキスターとシニスターのベースからチーフまでの斜め帯。

 *斜め十字帯(Saltire):十字帯を斜めにした形。

 *杭帯(Pile):チーフからベースに伸びる細身の逆三角形の帯。

 *ポール(Pall):Yの字帯。


スクロール(Scroll)
アチーヴメントのアクセサリーの一部。大抵「英語」通りの「巻き物」が多いが、プレートも「スクロール」と呼ばれる。


チーフ(Chef)
エスカッシャン#の上部のこと。また主オーディナリーの1/3上のところ。inとchargedを注意して見ると区別できる。


チャージ(Charges)
フィールドの中身。日本語の辞典だと「抽象図形」となっている。ほんとは"Common Charge"と呼ばれる。「ライオン」や「フラ・ダ・リ」、「クロス」・「本」、中には「骸骨」「墓」なども有る。もっとも有名な「ライオン」と「フラ・ダ・リ」を説明。

 *ライオン(Lion):そのままでQueen ElizabethUの第一・四のクォーターに有る。種類は多種多様で有る。主に歩いていて正面を向いている姿を"Passant,guardant"。立っていて正面向きをしている姿を"Rampant,gaurdant"。

 *フラ・ダ・リ(Fleur-de-lis):もとはフランス王の紋章。しかしそれはルイYのころから使われているが、いまだにこの図形が何を表しているかは分からないまま。大きくは「かえるの頭」説、「百合の花」説などである


ディアパー(ダイパー:Diaper)
ちゃんとした読み方は?ですが面白いので紹介します。紋章が使われはじめた時代に、よくあったものです。殆どが「単色」で単純な「図形」だったので、それを装飾するために使われました。括弧書きの読み方は、うちの使ってる「英語辞典」の発音記号から、表題の読み方は「Pimbley's Dictionary of Heraldry」の発音記号からの読みです。「英語」辞典では「装飾模様」と訳されてます。「紋章」辞典では「菱形、あるいは四角の下地模様」と訳せます。

これは「図形」ではなく、「装飾」するためのもで、Blazonには記載されません。


ディファンレッシング(Diffrencing)
紋章の鉄則として「同じ紋を作らない」ためにオーディナリーなどを付け加える事。これ専用のマーク(ケイデンシーマーク)もある。マーシャリングとの違いは「結婚」の際に行われるか「相続」の際に行われるかの違い(多分)。


デキスター(Dexter)
エスカッシャンを背後から見て「右」(向かって「左」側のこと)。


デミ〜(demi〜)
チャージを半分に分割した時に使われる用語。


パー(Per)
フィールドを分割する時に、使う言葉。Per fessで横に2分割したフィールドの事。


墓(Monumental Tomb)
お墓でも教会内においてある「彫像」。大抵は鎧らしい。その一部に、生前使っていた紋章なども飾られているので、紋章を把握するのに役立っている。


バッジ(Badge)
紋章はもともと「戦争のため」もので、軍隊の備品や、軍服には誰の所有の軍隊かなどを示すために「紋章」以外にもこの「バッジ」が使われてきた。特に有名なのは「バラ戦争」の「赤バラ」と「白バラ」のバッジ。ワッペンみたいなものだった(?)。


ハッチメント(Hatchment)
紋章は家系をあらわすものであり、葬式のときにも使用する。このHatchmentと呼ばれるものがそれである。紋章の外側に菱形の台座を置きそのなかに紋章を描く。生涯独身の紋章保持者は台座全体を黒に、既婚者で紋章保有していた夫がなくなった場合には、夫の紋章の下の台座を黒に、妻の家系の紋章の台座を白にして玄関先に掲げる。この紋章は玄関先に約12ヶ月掲げ、その後教会に掲げるのが通例となっている。

バナー(Banner)
うちの英語辞典では「軍旗」と訳されてました。もとは正方形の紋章が描かれてるものを「バナー」と呼んで、所有者などを表す「バッジ」を描いたものを「スタンダード」と呼んで区別してます。


フランス(France)
これもよく使われる「略語」で「青地にフラ・ダ・リをちりばめた」紋章。(注:これは古い時代の「フランス紋章」です)


フィールド(Field)
楯型のなかのこと。


分割線(Partition lines)
紋章の数を増やすために、フィールドを分割するための線。


ベース(Base)
エスカッシャンの最下部。


ポイント(Point)
エスッカッシャンの座標みたいなもの。


マーシャリング(Marshalling)
一つのフィールド内に2つ以上の家系(もしくは領土、国)の紋章を「組み合わせる」こと。結婚や領土併合の時に行う。ここでは「結婚」時の代表的なマーシャリングを説明。


モットー(Motto)
スクロールなどに書かれている言葉。座右の銘や信条などがラテン語・古英語(仏語)で書かれている事が多い。しかし現在は現英語でも書かれている。

 因みに私の紋章のモットーは
Deus clipeus meus est
(我が磐〔いわ〕の神なりわれ彼に倚頼〔よりたの〕む ヱホバはわが干〔たて〕わが救いの角 わが高櫓 わが逃処我が救い主なり 汝らを救いて暴き事を免れしめ給う)サムエル記下22:3からの引用です(日本語は文語体より)。

紋章院(College of Arms)
  リチャードV世時代に創設された、紋章を扱う役所。もともと紋章官を表す「Herald」は、「使者」や「報道官」という意味を持っていたので「軍式典などを指揮する役所」として建てられ、後に「紋章を総轄する」役所に変わっていきました。「紋章院総裁(Earl Marshal)は世襲制で「ノーフォーク公爵家」が世襲している(現在17代目)。


紋章鑑(Roll of Arms)
  紋章が「図」や「紋章表現文」で書いてある図鑑。(紋章鑑を見たい人はここ12


紋章表現文(Blazon)(これは違うページで説明があります
紋章を表現する文体


ローブ(Robe)
階級を表すために使われれいて、アチーヴメントの1つ。紋章を覆うぐらいのもの。表面にアーミン模様がありそれで階級が判るようになっている。または「Mantle」ともいわれる。


参考資料
 Books
私の持っている本のリストはこちら

世界シンボル大辞典:金光 仁三郎 他(1982年、大修館書店)
  世界の図形を扱った面白い辞典です。もちろん紋章図形も入ってます。

岩波ギリシア・ラテン引用句辞典:田中 秀央・落合 太郎(1937年、岩波書店)
  紋章のモットーを調べる時に使ったりします。

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