紋章は現在のものは大体「図版」として残っていますが、昔のものなどはまだ印刷技術が発達していなかったので、大抵は「紋章表現文」として残っています。
簡単に言うと「何処に何色で何が書いてあるか」を纏めたものですが、昔の紋章専門家やデザイナーが自分の仕事を取られない様にするために、どんどん複雑化していきました。
その結果今ではとっても難しい「暗号」のようになっていて、取っ付きにくいものですがこのページを読んでもらったら「文法」は理解できるよう書いてあります。 でも多分読む機会なんで洋書の紋章学の専門書を読まない限り、出てきません(^^。それでは具体的に見ていきましょう。
§0. 「紋章表現文」を用語で「ブレーゾン(Blazon)」といい、基本は英語であるが、フランス語なども混じっている。そして専門用語なのでほとんど動詞は使わないで、活用形で名詞の意味と動詞の意味を兼ねている。
0-1:基本的な法則。 楯の下地の色、あるいはクォータリングされている場合は何等分になっているか。分割線は何か?など「基礎的な要素」を説明する。 主オーディナリーズの種類や色を指定(主オーディナリーズの中に抽象図形が有った場合それも説明)。
サブオーディナリーズがある場合はこれを指定。そのあとチャージの指定(色、方向、仕種など)になる(まずは真ん中のものから次に上。下の順)。 これが基本的な表現文の書き方。
0-2:紋章を使った例。
◎0-2-1
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| 1.or | 2.or, cheneron gules | 3.or, cheveron gules 4 hurts* |
◎0-2-2
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| 1.per pale indented gules and argent. | 2.per pale indented gules and argent portcullis** or |
*:hurtとは「青い丸」を表す用語。 **.portcullisは城門に付いている「落とし門」のこと。
§1.私の紋章の解説。
この4個の紋章が一つのエスカッシャンの中に入っています。この入れ方を「クォータリング」といい一般的な紋章制作法です。
ではこの4個の紋章をバラバラに解説していきます。
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デキスターのチーフからシニスターのベースまで斜め線を「ベンド(Bend)」といい、このベンドが複数有る事を「ベンディー(Bendy)」と呼びます。それで金(Or)と赤(Gulese)が使われています。またこのフィールドに先に出ている色が下地なので、金(Or)が下地に赤(Gulese)のベンディーが乗っていることになります。
(1−Bendy Or and Gulese.)
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ここには紋章の中でも三大図形の中の一つ「フラ・ダ・リ(Fluer-de-lisまたはFluer-da-lys)」が9個書かれています。そして銀(Argent)で下地は緑(Vert)。
(2-Vert,nine Fluer-de-lis Argent.)
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ここにも「フラ・ダ・リ(Fluer-de-lis)」が書かれています。緑(Vert)の楯型の上に金(Or)の「フラ・ダ・リ」が4つ。
(3-Vert,three Fleur-de-lis in chief Or, a Fluer-de-lis on base Or.)
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最後には横帯がいくつも有って色があります。この横帯がいくつもある事を「バーリー(Barry)」と呼びます。
(4-Barry Or and Azure and Purpure.)
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この4つをすべて合わしてある私の紋章は次のように「表現」されます。
[Quarterly per Fess Embattled,1st Bendy Or and Gulese,2nd Vert, nine Fluer-de-lis
Argent,3rd Vert,three Fluer-de-lis in chierf Or, a Fluer-de-lis on base Or,4th
Barry Or and Azure and Pur -pure]
一応日本語で訳すと 「4つに別れていて横での分割線は凸凹線で分割されている紋章。第一クォーターは斜め模様で色は下地が金色で赤で模様が付いている。第二クォーターは下地が緑色で9つのフラ・ダ・リで飾られている。第三クォーターは下地が緑色で楯型の1/3の上に3つの金色のフラ・ダ・リが有り、下にも1つの金色のフラ・ダ・リが配されている。第4クォーターには横模様が有り、下地が金色で青と紫が下地を挟んで書かれている紋章」